大噴火から200年以上が経過した現在、タンボラ山はどのような姿を見せているのでしょうか。現在のタンボラ山は、標高2,851メートルの山頂に、巨大なすり鉢状のカルデラを抱える成層火山として静かにたたずんでいます。
カルデラの規模は直径約6キロメートル、深さ約1,100メートルにおよび、火口底にはかつて形成された火口湖や小さな溶岩ドーム、活発な噴気孔(硫気孔)が存在しています。上空から見下ろすと、山頂部が巨大なスプーンでえぐり取られたかのような圧倒的な地形が広がっており、1815年の破壊力の凄まじさを今に伝えています。
近年ではその特異な地形と豊かな自然から、2015年にインドネシアの国立公園に指定され、2019年にはユネスコ世界ジオパークにも登録されました。トレッキングルートも整備され、世界中から火山研究者や登山愛好家が訪れるジオツーリズムの拠点としても親しまれています。
ただし、美しい景観の裏で、火山としての命が尽きたわけではありません。インドネシア火山地質災害軽減センター(PVMBG)が地震計や傾斜計を設置し、24時間態勢で山体の微細な変動を監視し続けています。