テレビ番組のレギュラーを勇退して以降、桂文枝師匠は落語の高座を中心とした芸道への回帰を力強く進めています。80代を迎えた現在も精力的に舞台へ上がり、古典落語への取り組みはもちろん、代名詞である創作落語のアップデートに余念がありません。
年齢を重ねるにつれてファンの間では健康面を気遣う声も上がりますが、日々の体調管理と節制を徹底し、力強い声と卓越した話術で観客を圧倒しています。大阪の定席「天満天神繁昌亭」や東京の寄席、全国各地で開催される独演会でも、長時間に及ぶ熱演を披露しており、演芸関係者からも「年齢を感じさせない高座の華と集中力」と絶賛を集めています。
私生活では最愛の夫人との別れという大きな悲しみを経験したものの、それを芸の深みへと昇華させ、人生の機微を軽妙かつ切なく描く噺の数々は、いま最も円熟味を帯びた輝きを放っています。