近年のアニメ産業において、単なる勧善懲悪にとどまらない重厚な「ダークファンタジー」や人間の業を描くドラマへのニーズが世界的に高まっている。こうした世界的トレンドを先導するKADOKAWAなどの大手メディアパブリッシャーも、クラシック文学をモチーフにした独自IPの展開に注力してきた。
自らのプライドによって己を破壊し、獣へと堕ちていく人間の悲劇を描いた物語は、まさに現代のアニメ市場が最も渇望しているテーマそのものである。アニメ産業の構造変化と海外マーケットの広がりが、昭和初期の文学作品に新たな命を吹き込む絶好の好機をもたらしている。