本田速人というキャラクター最大の魅力は、「バイクを降りているときの極度な気弱さ」と「バイクに乗った瞬間の凶悪な狂気」のギャップにあります。実写版において、この二面性がどのように再現されたのかは放送当時大きな注目を集めました。
白バイから降りている場面では、内山信二は内股でおどおどとした仕草を見せ、両津に対してペコペコと腰を低く接する気弱な青年を巧みに体現。声のトーンも一段高く設定し、どこか愛嬌のある頼りなさを際立たせました。
一方、事件発生とともに白バイに跨った瞬間、その表情は一変します。眉間に深いシワを寄せ、ドスの利いた濁声で怒声を張り上げる豹変シーンは圧巻の仕上がりでした。ヘルメットの奥から覗くギラついた眼光、荒々しいアクセルワーク、そして両津を乗せて爆走する際の大暴れぶりは、実写ならではのダイナミズムを生み出していました。原作のコミカルな荒々しさを実写の肉体を通して見事に表現しきった瞬間です。