SNS上では毎年、「ストロベリームーンを見ると好きな人と結ばれる」「スマホの待ち受けにすると復縁できる」といった書き込みが数万件規模で飛び交います。知恵袋やX(旧Twitter)におけるストロベリームーン ネットの反応を定点調査すると、「今夜好きな人に連絡してみた」「ピンクの月にお願い事をした」というポジティブな投稿が目立つ一方で、「実際に外を見たら普通の黄色い月でガッカリした」という声も少なくありません。
では、なぜこれほどまでにストロベリームーン 恋愛運の真相やストロベリームーン 願い事 効果が強固な信仰として定着したのでしょうか。ここには現代のソーシャルメディアと社会心理学が密接に絡み合っています。
文化社会学的な見地から分析すると、ヨーロッパには古くから6月に結婚すると幸福になれるという「ジューンブライド(June Bride)」の伝説があり、欧州の一部では6月の満月を「ローズムーン(Rose Moon)」や「ハニームーン(Honey Moon / 蜂蜜酒の月)」と呼ぶ風習がありました。これらの欧州の婚姻フォークロアと、アメリカ由来のキャッチーな「ストロベリー」という響きが、2010年代の女性誌やWebメディア、キュレーションサイトの手によって巧みにハイブリッド化され、「ストロベリー=愛らしいピンク=恋の成就」という強固な現代的神話へと再構築された経緯があります。
心理学的に見れば、これは「バーナム効果」と「確証バイアス」の典型的な作用です。「恋愛に効く」という前評判を信じて月を見上げた人は、その後の日常で起きた偶然の幸運(気になっていた相手からの返信など)を「月のパワーのおかげ」と強く結びつけて記憶します。科学的根拠(エビデンス)の有無は別として、日常の中で立ち止まり、夜空を見上げて大切な人への想いを再確認するという行為自体が、心理的な自己開示や前向きな行動へのトリガーとして機能していることは間違いありません。