こうした言葉のズレは、単なる語彙力の問題にとどまらない。根底にあるのは昭和・平成の企業文化と、多様性を重んじる令和の働く意識との衝突だ。終身雇用と年功序列を前提とした時代には、言葉の裏にある阿吽(あうん)の呼吸や「空気を読む」姿勢が組織の結束力を高める潤滑油として機能していた。
日本経済新聞社が実施した職場意識に関する最新の調査でも、上司と部下の間における言葉の解釈の差異が、業務効率の低下や心理的安全性への悪影響をもたらしている実態が指摘されている。上司側は親しみやすさや指示の柔軟性を意図して使っている言葉が、若手社員にとっては「指示が曖昧で無責任」「ハラスメントに近い圧迫感」と受け取られるギャップが生じているのだ。
組織における世代間コミュニケーションを円滑にするには、過去の成功体験に基づく暗黙の了解を解体し、誰にでも伝わる言語へと透明化を図るプロセスが欠かせない。