原作は日本を代表するミステリー作家・東野圭吾のベストセラー小説だ。本来であれば、暗く重厚なサスペンスとして描かれるのが王道だろう。しかし、TBSテレビのプロデュース陣が脚本に起用したのは、コメディラインの第一人者である宮藤官九郎だった。
この異色の組み合わせが吉と出た。宮藤は原作の持つ切ない復讐の骨組みを崩すことなく、劇中に「作中劇」とも言えるコミカルな詐欺コントを挿入。悲劇の渦中にいる三兄妹が、生きるためにターゲットを騙していく過程を極上のエンターテインメントへと昇華させた。重苦しい悲哀と笑いの絶妙なバランス。これこそが、幅広い層の視聴者を惹きつけ離さなかった最大の秘訣である。