澪奈の親友であり、第1話から物語の語り手を務めていた茅野さくら(永野芽郁)は、激しい罪悪感を抱え続けていました。「私が澪奈を殺した」と泣き叫ぶさくらが胸に秘めていたのは、あの日ビルで起きた残酷な真実でした。
ドーピングのフェイク動画が拡散された後、澪奈は過度のストレスと恐怖から、周囲の人間がすべて恐ろしい怪物に見える幻覚(パニック障害・精神の錯乱状態)に襲われていました。誰を信じていいかも分からなくなった澪奈は、雑居ビルの屋上から衝動的に身を投げてしまったのです。
その場に居合わせたさくらは、落下しかけた澪奈の右手を必死に掴みました。しかし、澪奈は「さくら、ありがとう」と微笑みながら、自らの意思でその手を離してしまいました。物理的に手を支えきれなかったこと、そして何より「澪奈を苦しみから救えなかった」という無力感が、さくらの心に深いトラウマを刻みつけていたのです。
柊は人質劇の最終幕で、かつて澪奈が落ちたのと同じように屋上から落下する自らの体をさくらに掴ませます。クラスメイト全員が駆け寄り、柊の手を全員で引き上げることによって、さくらは「手を離してしまった過去の呪縛」からようやく解放されたのでした。