公開から歳月が経過した現在、作品をフラットに観直した映画ファンや視聴者の評価は、公開当時の感情的な拒絶から大きく変容しています。SNSや映画レビューサイト(Filmarksや映画.comなど)に寄せられている長期的な反響を検証すると、極めて興味深い事実が浮かび上がります。
「子どもの頃にジブリ版しか知らずに毛嫌いしていたが、大人になって観直したら、角野栄子先生の児童文学の素朴な温かさが丁寧に映像化されていて驚いた」
「小芝風花のキキがとにかく可愛い。空を飛ぶ時の不安定さや、思春期の少女が抱えるトゲトゲした感情がリアルで引き込まれる」
観客の生の声の多くは、ジブリ版アニメとの比較という色眼鏡を外した瞬間に、作品本来の魅力と小芝風花の瑞々しい存在感に気づかされたというものです。香川県の小豆島で行われたロケの美しい自然描写、小芝風花が見せた泥臭くも愛らしい少女の葛藤は、児童文学の持つ普遍的な成長譚としてしっかりと結実していました。先入観がいかに作品の適正な鑑賞を阻害していたかが分かります。