毒気のある現代劇でヒットを飛ばす一方、2016年度後期のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』では、全く異なるアプローチを見せた。戦後の焼け跡から立ち上がり、子供服作りに邁進するヒロインたちの姿は、丁寧で静かな筆致で描かれた。
劇的な事件が次々と起こるわけではない。それでも、日々の暮らしや手仕事の尊さを淡々と積み重ねていくストーリーテリングは、多くの視聴者に深い余韻を残した。激動の時代を生き抜く女性たちの「静かなる強さ」を描ききったことで、彼女の脚本家としての引き出しの多さが改めて証明された瞬間だった。