世間に大きな衝撃を与えた元少年Aの手記の内容は、大きく2つのパートに分かれています。
前半の第一部では、自らの幼少期から凶行に至る精神の歪み、そして1997年の神戸連続児童殺傷事件当時の異常な心理状態が克明に綴られています。なぜ凄惨な凶行に及んだのか、酒鬼薔薇聖斗と名乗った犯行の理由や衝動が彼自身の主観的な言葉で記述されていますが、その生々しい描写は読者に強烈な不快感とショックを与えました。
後半の第二部では、医療少年院を仮退院した2004年以降の社会復帰生活、日雇い労働を転々とする日々、身元引受人や弁護団との葛藤が描かれています。手記を執筆した動機として本人は「自らの罪と向き合い、言葉を獲得するため」と主張していますが、多くの読書感想や臨床心理の専門家からは「自己陶酔的な表現が目立ち、真の反省や贖罪には至っていない」との厳しい批判が寄せられています。