法制度の面では、事件を直接の契機として成立した働き方改革関連法や、過労死防止の理念を定めた過労死等防止対策推進法の運用が大幅に深まっている。2026年現在の日本においては、時間外労働の上限規制が全業種へ完全に定着し、かつてのような野放しの長時間労働に対しては法的な罰則が厳格に適用される時代となった。
厚生労働省および各地の労働基準監督署を統括する東京労働局は、過重労働が疑われる事業者に対する監督指導を一段と強化している。抜き打ちの立ち入り調査や是正勧告の件数は高い水準を維持しており、企業側もコンプライアンス遵守を最優先課題に掲げざるを得ない情勢だ。しかし、法令の締め付けが厳しくなった分、労働の「見えにくさ」が増したという側面も指摘されている。