なぜ異なる生物種の間でこのような現象が起きるのか。臨床免疫学の研究が指し示す元凶は、筋肉組織に存在するアレルゲンタンパク質「トロポミオシン」である。
トロポミオシンは、エビ、カニ、アサリ、そしてイカに至るまで、無脊椎動物の筋肉に広く分布している。このタンパク質のアミノ酸配列は種を超えて非常に酷似しているため、甲殻類に対して作られたIgE抗体がイカのトロポミオシンにも結合してしまう。熱に対しても非常に安定しており、煮ても焼いてもアレルゲン性が失われにくい。加熱調理したイカであっても、過敏な免疫系を刺激するには十分な毒性を保持し続けるのだ。