店主である山下雄作氏のキャリアは異色だ。北欧デンマークでデザインやライフスタイルの美学に触れ、フランス・パリの名店で伝統的な製パン技術を一から叩き込まれた。帰国後、彼が自身の城として選んだのが、都心の喧騒から程よく離れた二宮の地だった。
世界のトップレベルの食文化を見てきた山下氏が目指したのは、単に美味しいパンを売ることではない。「生活そのものを豊かにする空間と時間の提供」だ。北欧のヒュッゲ(温かい居心地の良さ)の精神とフランスの本格的な職人技。その二つが見事に融合した空間は、一歩足を踏み入れた瞬間に五感全体で感じ取ることができる。