TBSテレビの日曜劇場枠などで放送され、社会現象を巻き起こした医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』。主人公の産婦人科医・鴻鳥サクラを演じた綾野剛は、役作りのために何度も当センターを訪れ、実際の医療現場の空気を肌で吸収したという。廊下を走る足音、患者に語りかける独特のトーン、さらにはオペ室での手さばきに至るまで、現場の医師たちから直接指導を受けたリアルな所作が視聴者の胸を打った。
ロケ地となった同センターの院内施設では、実際の診療を妨げないよう、早朝や深夜、休日を利用して極限の緊迫感の中で撮影が進行した。美術スタッフが作り込んだセットではなく、本物の廊下や診察室、高度医療機器が立ち並ぶ現場を使ったからこそ、あの圧倒的なドキュメンタリータッチの映像が生まれたのだ。「撮影中、まるで本物の医師にしか見えない瞬間があった」と当時を知る病院関係者は振り返る。