医療・介護の現場もまた、苦渋の決断を迫られている。慢性的な人手不足の中、いつ訪れるか分からない最期の瞬間のために、家族を呼び寄せるタイミングを見極めるのは極めて難しい。医師が「今夜が山だ」と告げても、数日間持ちこたえることもあれば、数十分で急変することもある。
現場の看護師は語る。「家族が到着する前に息を引き取られるケースは日常茶飯事です。私たちは、ご家族が自分を責めないよう、旅立つ瞬間のご本人の様子を細かくお伝えするようにしています。苦しまずに逝かれたことを伝えるだけでも、ご家族の救いになるからです」。