高田馬場を語る上で、学生街の歴史を刻んできた純喫茶やレトロ喫茶の存在は外せない。文豪・村上春樹が大学時代に通い詰めたとされる喫茶店には、今も当時の面影を宿した革張りのソファや、飴色に燻された木製家具が大切に残されている。
早稲田大学のキャンパスからほど近い路地には、大隈重信の時代から続く学問の街の誇りを胸に、サイフォン式で一杯ずつ丁寧に抽出を続けるマスターの姿がある。ネルドリップ特有の重厚なコクと芳醇な香りは、効率とスピードが優先される現代社会において、忘れかけた「思索の時間」を思い出させてくれる。