こうした健康的リスクに対する社会的関心の高まりを受け、厚生労働省は「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を取りまとめた。飲酒量や飲酒頻度と疾患リスクとの関係を具体的に提示したこのガイドラインは、従来の「節度ある飲酒」という抽象的な呼びかけから一歩踏み出し、国民一人ひとりが純アルコール量を意識することを促している。
さらに、2026年に向けた酒税改正による税率の統一化や段階的見直しも、酒類製造業の戦略に大きな影を落としている。税制上の優位性が減退することに加え、ESG投資や企業社会的責任(CSR)の観点から、高度数アルコールの販売自粛やプロモーションの抑制へと動くメーカーが増加した。アサヒビール株式会社をはじめとする大手企業が相次いで自粛や撤退を打ち出した背景には、規制強化を先回りしたブランディングの修正という真相が存在する。