「ネットの愚痴くらいで逮捕されるわけがない」という甘い認識は、もはや通用しない。近年、総務省や法務省を中心とした法改正と運用強化により、ネット上の投稿に対するプロバイダ責任制限法の迅速化や、侮辱罪の厳罰化が着実に成果を上げている。発信者情報開示請求の手続きは大幅に簡略化され、匿名アカウントであっても数か月足らずで氏名や住所が特定される時代だ。
誹謗中傷対策の現場では、刑事告発だけでなく高額な損害賠償請求が認められる事例が相次ぐ。悪意ある一言を投稿した代償として、数百万円規模の賠償金支払いを命じられるだけでなく、勤務先への連絡や社会的信用の失墜により、一瞬で人生の軌道修正が不可能になるケースも珍しくない。法務省の法務局に寄せられる人権相談件数も高止まりを見せており、行政による厳重な監視の目はこれまで以上に強まっている。