メディアのスポットライトが制裁の妥当性やチームの損害に集まる一方で、当事者であるアスリート自身の精神的ケアは置き去りにされがちだ。突然の練習参加禁止や試合出場不可の通知は、日々の生活のすべてを競技に捧げてきたアスリートのアイデンティティを劇的に打ち砕く。
長期にわたる隔離と世間からのバッシング、さらには「復帰後に以前のパフォーマンスを取り戻せるか」という強迫観念は、重度のうつ病や強い不安障害を引き起こす原因となる。近年ではスポーツ心理学の専門家から、処分期間中におけるメンタルヘルスサポートの法制化や、メンター制度の義務化を求める声が強く上がっている。