「深海」という言葉は日常的に使われますが、海洋学では明確な区分が存在します。一般的に、水深200メートルから1,000メートルを「漸深層(せんしんそう)」、1,000メートルから4,000メートルを「深海層」、4,000メートルから6,000メートルを「超深海層」、そして6,000メートル以深を「超超深海層」、すなわちアビス 深海領域と呼びます。
このアビス 深海領域は、地球の海底面積の約1~2%を占めるに過ぎませんが、その過酷さは桁違いです。水深10,000メートルでは、水圧は約1,000気圧にも達します。これは、1平方センチメートルあたりに約1トンの重さがかかる計算で、一般的な潜水艦では耐えられない圧力です。
アビス 深海の環境条件
アビス 深海の環境は、生命にとって極限的です。まず、光が完全に存在しないため、光合成は不可能です。そのため、生態系の基盤は、海底から噴出する化学物質をエネルギー源とする「化学合成」に依存しています。水温は摂氏2度前後と非常に低く、栄養分も乏しいため、生物の成長速度は極めて遅いのが特徴です。
しかし、こうした過酷な環境だからこそ、地球上の他の場所では見られない、独自の進化を遂げた生物たちが暮らしています。彼らは、アビス 深海の暗黒と高圧に完璧に適応しており、その生態はまさに驚異の連続です。