本作の熱量を底上げしているのは、裏社会を生きる男たちを演じたベテラン俳優陣の重厚な芝居だ。加古村組の若頭・野崎を演じた竹野内豊は、従来のクールでスタイリッシュなイメージを激しく覆し、下品で暴力的な極道を凶暴に演じきってみせた。
一方で、尾谷組の若頭・一ノ瀬を演じた江口洋介は、極道としての筋と仁義を重んじる古風な男の美学を静かな威圧感とともに漂わせた。警察と任侠組織、それぞれの組織のメンツと野望が複雑に絡み合う中で、彼らが放つ存在感の一片一端が、呉原という仮想都市の闇に圧倒的なリアリティを授けていたのである。