7月後半、東京や大阪で35度を超える猛暑日が続く中でも、釧路の最高気温が20度前後に留まる日は多い。この際立った冷涼さをもたらしている最大の要因は、太平洋を北上する千島海流(親潮)の存在だ。冷たい海水が南からの温かく湿った空気を急速に冷却し、巨大な冷気層を生成する。南風が吹き込むたび、街全体が冷風扇の中にすっぽりと包み込まれるのだ。
気象庁の2026年観測データを見ても、釧路の夏の日平均気温は国内主要都市の中で圧倒的に低い。エアコンに依存しない生活環境は、エネルギーコストが高騰する現代において、単なる避暑を超えた都市の強みとして再評価されている。