タイムラインを眺めていると、見つめるほどに胸の奥がモヤモヤする写真に出会うことがある。綺麗に並べられたレンガの中に一つだけ色違いが混ざっていたり、トイレットペーパーの向きが逆になっていたり。これらモヤモヤする写真がSNS上で爆発的な拡散を見せる背景には、認知心理学が明かす人間の本能的な視覚的トリガーが関係している。
人間には、パターンを自動的に補完して秩序を保とうとする「ゲシュタルト統合」の能力がある。しかし、その秩序が微細に破壊されたとき、脳の予測エラーが警報を鳴らす。日本認知心理学会の研究でも議論されるように、完璧な美しい映像よりも、不規則で「わずかな不協和音」を含む画像の方が、人間の視線補足時間を劇的に延ばすことが実証されている。不快感は注意を強制的に引きつける強力なフックであり、それゆえにSNSのアルゴリズム上で高いエンゲージメントを獲得するのだ。