腹上死とは、医学的には性行為中または性行為後数時間以内に発生する内因性突然死を指します。性行為は一見リラックスした情行為に思えますが、循環器系にとっては階段を一気に駆け上がるような激しい有酸素運動に匹敵する身体負荷が生じます。
性的興奮が高まりオーガズムに達する瞬間、体内では交感神経が極度に緊張し、アドレナリンなどのカテコールアミンが大量に分泌されます。これにより最高血圧が200mmHg近くまで急上昇し、心拍数も安静時の倍近くまで跳ね上がります。基礎疾患を持つ血管や心臓がこの急激な圧力変動に耐えきれなくなった瞬間、致命的な破綻をきたすのがこの突然死の根本的なメカニズムです。