坂本花織の父・修司さんは、地元・兵庫県警に勤めていた元警察官だ。市民の安全と秩序を守る重責を担い、日夜事件や事故の現場に向き合う過酷な現場に身を置いていた。当然ながら家庭内にも一定の規律が存在し、挨拶や時間厳守、礼儀作法については幼少期から徹底して教え込まれたという。
甘えが許されない警察官の仕事柄、家庭でも「自分の行動には責任を持つ」という姿勢が自然と重んじられていた。しかし、それは決して力で押さえつけるようなスパルタ教育ではない。約束を守ること、他者への感謝を忘れないことといった人間としての根本を、父は自らの背中で愚直に語り続けていたのだった。