竹原芳子の経歴を語る上で欠かせないのが、芸能界入り前の驚くべきキャリアです。彼女の若い頃は、決して順風満帆な演劇人生ではありませんでした。
短大を卒業後、証券会社の一般職事務として社会人生活をスタート。その後、難関である国家公務員試験を突破し、裁判所事務官として約13年間勤務した実績を持っています。堅実そのものの法曹の世界で書類作成や法廷事務に従事していたという事実は、現在のコミカルな姿からは想像もつかないギャップと言えます。
転機が訪れたのは40代の頃でした。話し方教室に通い始めたことをきっかけに落語の面白さに目覚め、アマチュア落語家として活動を開始。表現の喜びに目覚めた彼女は、なんと50歳にして吉本興業の養成所「NSC大阪校」33期生として入学を果たします。
同期が10代〜20代ばかりの環境の中で演技や笑いの基礎を叩き込み、間寛平が座長を務める劇団などで地道に舞台経験を積みました。そして57歳の時、運命のオーディションとなったENBUゼミナールのワークショップに参加し、映画『カメラを止めるな!』のプロデューサー・笹原芳子役に抜擢されたのです。