かつて中国の静止軌道打ち上げを長年担ってきたのは「長征3号B」シリーズだった。しかし、毒性の高い推進剤の扱いやすさや打ち上げ能力の限界、さらには内陸部の発射場からの打ち上げに伴う落下物のリスクなど、多くの課題を抱えていた。
その課題を一挙に解決したのが、3段式構造を持つ大型ロケットへの刷新だ。直径3.35メートルの第1段に4基のブースターを組み合わせた構造は、打上げ時の圧倒的な推力を生み出す。静止トランスファ軌道(GTO)への投入精度も飛躍的に向上しており、衛星側が軌道修正に使う燃料を節約できるため、打ち上げられた衛星の寿命延長にも直結している。