ネット上のレシピ記事では「bột năngは片栗粉で100%代用可能」と単純化されて記載されるケースが目立ちますが、これは調理科学の観点から見ると大きな誤解を生む原因になります。
見落とされがちな盲点が、「油で揚げた際の吸油率と食感の持続力」です。タピオカ粉を衣に使ったベトナム風揚げ春巻き(Chả giò)やフライドチキンは、時間が経ってもバリッとしたハードなクリスピー感が持続します。対して片栗粉は、揚げたてこそサクサクと軽い食感に仕上がるものの、湿気を吸いやすく、数十分放置するとしんなりとした油っぽさが前面に出てしまいます。
また、日本で「わらび餅粉」として販売されている安価な製品の原材料表示を確認すると、実は本葛ではなく「タピオカ澱粉100%」または「甘藷(さつまいも)澱粉ブレンド」であることが多々あります。「わざわざ輸入食材を探さなくても、スーパーの製菓コーナーにある100円前後のわらび餅粉がそのまま純度100%のbột năngだった」という事実は、知る人ぞ知る裏技として定着しています。