2026年に公開された映画『事故物件 恐い間取り』(監督:中田秀夫、主演:亀梨和也/KAT-TUN)は、興行収入23億円を突破する大ヒットを記録し、事故物件というワードをお茶の間に定着させました。亀梨和也が演じた売れない芸人・山野ヤマヲのモデルこそが松原タニシ本人です。
映画版と原作ノンフィクション本には、演出手法において決定的な差異が存在します。
- 映画版(エンターテインメントの極大化):中田秀夫監督によるJホラーの王道演出が施され、クライマックスでは悪霊との直接対決や派手なポルターガイストなど、視覚的・劇的な恐怖演出が前面に押し出されました。
- 原作・実体験(淡々とした日常と死の気配):松原タニシの原作に描かれているのは、派手な幽霊バトルではなく、「他人が亡くなった空間で飯を食い、眠る」という生と死が隣り合わせになった日常の違和感です。
映画の大ヒットによって「事故物件=お化け屋敷」というパブリックイメージが広がった一方、松原タニシ本人はその後の著書やトークライブにおいて、物件に残された故人の生活痕や孤独死問題など、より深く社会的な側面に焦点を当てた情報発信を続けています。