2人の結びつきの原点は、伝説のオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)にあります。小泉今日子は1981年3月開催の第35回決戦大会で合格を果たし、中森明菜は同じ年の第40回決戦大会で番組史上最高得点(392点)を叩き出して合格を掴み取りました。デビュー前からレッスンや合格者合宿で顔を合わせていた2人は、スターの重圧を背負う以前の無垢な少女時代を共有する「同期生」そのものでした。
デビュー後、多忙を極める中でも2人の間には微笑ましいエピソードが数多く残されています。堀越高等学校の同窓生でもあった彼女たちは、歌番組の楽屋で互いの私服やメイクをチェックし合い、中森明菜が小泉今日子の斬新なショートカットを「本当によく似合っていて可愛い」と絶賛すれば、小泉今日子は中森明菜が自身でデザインを手がけるステージ衣装のセンスに感嘆の声を上げていました。
かつての対談やラジオ番組のゲスト出演時、2人は公の場でありながら「明菜」「今日子」と自然に呼び合っていました。小泉今日子は後年のインタビューで当時を振り返り、「明菜は同い年だけど、歌うことに対して本当に真摯で命がけだった。そのストイックな背中を見て、私は別のやり方で自分の居場所を作らなければいけないと教えられた」と率直なリスペクトを語っています。互いを認め合っていたからこそ、決して相手を真似ることなく、それぞれの表現を研ぎ澄ませることができたのです。