制作現場の暴力沙汰と並び、フジテレビのコンプライアンス体制に決定的な打撃を与えたのが、報道局解説委員長や取締役を歴任した反町理氏をめぐる事案です。フジテレビ問題の第三者委員会による詳細な調査の結果、反町氏による複数の女性社員に対するハラスメント行為が正式に認定されました。
調査報告書によると、職務上の圧倒的な優位性を背景に、女性社員に対して執拗にプライベートな食事への同席を迫ったり、意に沿わない態度をとった部下に対して理不尽かつ苛烈な叱責を繰り返したりしていた実態が浮き彫りとなりました。政治家や官僚に鋭く切り込む論客としてお茶の間に知られていた看板キャスターが、足元の社内では権力を笠に着たハラスメントを行っていたという事実は、視聴者に強烈な失望感を与えました。
この調査結果を受け、反町氏はフジテレビの取締役を退任し、「プライムニュース」のキャスターを降板する事態に追い込まれました。しかし、退任からわずか数カ月後の2026年8月には自身のYouTubeチャンネルを開設して言論活動を再開したことから、「反省が形骸化しているのではないか」「組織として被害者へのケアやけじめが徹底されていない」と、メディア倫理の観点からも再び論争が巻き起こりました。