インターネット上の掲示板やSNSでは、今なお「多摩ニュータウンはゴーストタウン化した」「高齢者しか歩いていない」といったステレオタイプが散見されます。しかし、多摩市企画振興部が公表する住民基本台帳人口の推移を見ると、人口はおよそ14万6,000人台で安定推移しており、世帯数に至っては単身者や共働き夫婦の流入により微増傾向にあります。
この人口動態を支えている最大の原動力が、全国屈指の成功例とされる多摩市団地再生プロジェクトです。象徴的な事例として知られる旧諏訪二丁目住宅は、総戸数640戸から1,249戸の「Brillia多摩ニュータウン」へと大規模に建て替えられ、分譲時には若い一次取得層が殺到しました。さらに現在では、UR都市機構と民間企業、大学が連携したリノベーション住戸の供給や、コミュニティカフェの誘致が各住区で定着しています。
現場を歩けば、完璧に歩車分離された遊歩道(ペデストリアンネットワーク)を電動自転車で行き交う子育てファミリーの姿が日常の景色として溶け込んでいます。街開きから半世紀を経て、インフラの更新期を迎えた街は、単なる老朽化ではなく「成熟都市への再設計」という明確な変革のプロセスを進んでいるのが客観的な事実です。