国内での波紋は、すでに国境を越えて広がり始めている。北米を中心とする国際的なスカウティングネットワークが、彼の動向をマークし始めたのだ。既存のアジア出身選手にありがちなフィジカル面の不安をまったく感じさせない骨太な骨格と、何より局面打開のインテリジェンスが高く評価されている。「彼は自分のサイズと武器の使い方を100%理解している」。ある海外エージェントは匿名を条件にそう漏らした。
すでに水面下では巨額の契約金が飛び交っているとも囁かれるが、本人は至って冷静だ。「海を渡ること自体が目的じゃない。そこで何を成し遂げるかでしょう」。札束攻勢に浮き足立つ様子は微塵もない。彼が求めているのは名声の拡大ではなく、自らの限界をどこまで押し広げられるかという一点に尽きる。