近年、売電価格の下落に伴い、販売業者の営業ターゲットは「太陽光発電単体」から「太陽光+蓄電池のセット販売」へと完全に移行しました。しかし、この蓄電池セットこそが、さらなる高額ローンの泥沼に陥るトリガーとなっています。
家庭用蓄電池の導入費用は、容量にもよりますが100万〜200万円以上と極めて高額です。蓄電池を導入すれば、昼間に余った電気を蓄えて夜間に使用できるため、電力会社からの買電を極限まで減らすことができます。しかし、冷静に費用対効果を計算すると、経済合理性は極めて乏しいと言わざるを得ません。
仮に蓄電池によって毎月5,000円〜7,000円の電気代が浮いたとしても、年間で削減できるのは6万〜8万円程度です。150万円の蓄電池費用を回収するには約18年〜25年の歳月を要します。ところが、蓄電池に内蔵されているリチウムイオン電池の寿命(サイクル数)は10年〜15年程度であり、投資を全額回収する前にバッテリーが劣化し、買い替え時期が到来してしまうのが冷酷な現実です。
ネット上の掲示板やSNSで「太陽光発電をやめてよかった」と胸を撫で下ろしているユーザーの声を分析すると、以下のシチュエーションに集約されます。
- 「訪問販売の巧みな話術に流されず、相見積もりを取って総額の異常さに気づけた時」:定価より100万円以上高い見積もりを出されていたことに後から気づき、寸前でクーリングオフした事例。
- 「将来の屋根塗装の見積もりを取った時」:太陽光パネルがあるせいで、足場の増設やパネルの一時脱着費用として余計に40万円上乗せされると知り、「載せなくて本当に正解だった」と実感した事例。
- 「大雪や台風のニュースを見た時」:豪雪によるパネル破損や落雪による隣家カーポートの損壊、強風による飛散事故のリスクから完全に解放されている平穏さを喜ぶ声。
非常用電源としての防災価値を最優先する人にとって蓄電池は有用ですが、「元を取って家計を楽にしたい」という動機で高額なセット契約に踏み切ることは、経済的観点からは極めてリスクの高い選択です。