館内2階に足を進めると、来館者の誰もが立ち止まり、思わず声を漏らす展示がある。アクリルケースの中に長くうねる白い帯。日本海裂頭条虫(サナダムシ)だ。その全長は8.8メートル。人間の体内でここまで成長したという事実は、不気味さを通り越して生命の凄まじい適応能力を突きつけてくる。
展示の脇には、このサナダムシが体内にいた患者が使用したとされる実際の「紐」と同じ長さの縄が展示されており、手に取ってその長さを実感できる仕掛けになっている。視覚だけでなく体験を通じて理解を深める。この愚直なまでに誠実な展示手法こそが、来訪者の記憶に深く刻まれる理由だ。