清水伸といえば、数々の映画やドラマで作品のリアリティを重厚に支えてきたベテランだ。その彼が今回演じるのは、過去の傷を抱えながら孤独に真相を追うベテラン刑事。対する山下ひかりは、事件のキーパーソンとなるミステリアスな容疑者を演じる。世代もキャリアも異なる二人の共演が決まった当初、業界内ではその組み合わせに対する意外感が少なからず存在した。
だが、その懸念は第1話の数分間で完全に吹き飛ぶこととなった。静かな取調室のシーンで交わされるセリフの数々は、まるで台本が存在しないかのような自然さと臨場感に満ちていた。清水のタフで無骨な存在感に対し、山下のどこか儚げでありながら芯の強い立ち振る舞いが見事なコントラストを描き出している。