Q1:万が一低濃度のフッ化水素に触れてしまった場合、自覚症状が出るまでの時間はどれくらいですか?
A1:濃度によって大きく異なります。50%以上の高濃度では即座に激痛が生じますが、20%〜50%では1〜8時間後、20%以下の低濃度水溶液や希薄ガスの場合は、被曝から12時間から最長24時間経過した後に初めて激しい疼痛や発赤、組織壊死が現れることがあります。痛みがなくても触れた疑いがある場合は、即刻流水洗浄とグルコン酸カルシウムによる処置を行い、医師の診察を受けてください。
Q2:家庭用の洗剤や日用品にフッ化水素ガスが発生するリスクはありますか?
A2:一般的な市販洗剤にフッ化水素酸そのものが配合されることは、毒物及び劇物取締法により一般家庭向けには厳格に禁止されているためありません。ただし、海外製の強力なサビ取り剤や一部の特殊業務用ホイールクリーナーにはフッ化水素酸やフッ化アンモニウムが含まれているケースがあり、誤った混触や使用でガス化・皮膚吸収を起こした重大事故例が存在します。成分表示に「フッ素系」ではなく「フッ化水素」「フッ酸」と明記された業務用薬剤の一般使用は極めて危険です。
Q3:応急処置に用いるグルコン酸カルシウム軟膏は、一般の薬局で市販されていますか?
A3:市販の一般用医薬品(OTC医薬品)としては通常ドラッグストア等で市販されていません。医療用医薬品であるグルコン酸カルシウム注射液を基剤(親水軟膏など)に混合して院内製剤として調剤されるか、フッ化水素を取り扱う事業場が産業医や指定医療機関を通じて事前に安全資材として配備・備蓄するのが通例です。そのため、取扱現場に事前の常備がない場合、事故発生後に市中から即座に入手することは極めて困難です。