恐怖と性的な興奮は、脳科学や心理学の観点から見ると非常に近い位置にある。心理学でよく知られる「吊り橋効果」が示すように、恐怖による心拍数の上昇や緊張感は、容易に性的な興奮へと脳内で誤変換される。怪談が持つ独特の緊迫感が、一部の受け手にとって官能的な刺激へと変化したとしても不思議ではない。
さらに、逃げられない状況や支配されるシチュエーションが、SM的な文脈やマゾヒスティックな快感として解釈されるケースもある。「猿の夢」が持つ「強制的な運命」という設定が、現代のクリエイターたちの手によって、ダークで官能的なファンタジーへと再構築されたのだ。