秩父三十四観音霊場御朱印巡りを行うにあたり、ネット上で拡散されている情報と現地の運用実態にはいくつかの重要な乖離が存在します。
最大の盲点は「納経所(御朱印受付)の受付時間と昼休み」です。一般的な札所の納経時間は「午前8時から午後5時まで(3月〜11月)」、「午前8時半から午後4時まで(12月〜2月)」と定められています。しかし、多くの個人寺院では「12時00分〜12時30分の昼食時間帯」は納経受け付けを一時休止する運用が徹底されています。この時間帯に無理にインターホンを鳴らす行為はマナー違反となるため、午前中に回る寺院と午後に回る寺院を明確に分け、正午からの30分間は食事や移動に充てる計画を組み込む必要があります。
次に、ネット上で頻繁に質問される「1番から始めないとご利益がないのか」「34番以外で終わってはいけないのか」という疑問です。歴史的・宗教的な見地から言えば、前述の通り巡礼はどの札所から始めても、どの札所で終えても功徳に差異はありません。
ただし、秩父札所三十四番水潜寺結願には極めて重要な文化的意義が存在します。水潜寺は、西国三十三所・坂東三十三箇所・秩父三十四箇所を合わせた「日本百観音」の総結願寺と位置づけられています。境内には百観音結願の記念碑や、巡礼装束を脱いで日常へと戻る「結願の儀」にまつわるスポットが残されており、長旅の終着点として深い達成感を得たいのであれば、やはり最後を水潜寺に設定するルート設計が最も感動を深めてくれます。