大学卒業後、彼が足を踏み入れたのは大手不動産会社(三井不動産)だった。入社当時、周囲の社員の大半は彼が「小泉純一郎の三男」であることすら知らなかったという。コネを一切使わず、泥臭い現場交渉や大型都市開発プロジェクトに汗を流した。
オフィスビルの誘致、地権者との交渉、プロジェクトの収支管理――現場で求められるのは、政治家の血筋ではなく、目の前の相手と信頼を築く実務能力だ。同僚や取引先からは「誰よりも謙虚で、誰よりも働く男」として評価を確立していった。自らの名前とスキルだけで生きていくという強固な意志が、そこにはあった。