エネルギー政策における深い不信感の象徴が、かつてのノルドストリーム・パイプライン事業である。ロシア産天然ガスへの依存を深めたベルリンの方針は、ワルシャワから「東欧の安全保障を犠牲にする裏切り」と猛烈に批判された。
パイプラインの破壊事件を経て同事業が挫折した後も、そのトラウマは消えていない。現在、両国はLNG(液化天然ガス)基地の活用や再エネ格差の解消に向けた協議を進めているが、ポーランド側には「ドイツのエネルギー政策転換は遅すぎた」という冷めた視線が残る。共通のエネルギー市場を構築する過程で、安全保障第一を掲げるポーランドと経済効率を重視してきたドイツの思想的差異が色濃く浮き彫りになる。