1963年(昭和38年)の開館以来、数多のトップアーティストのコンサートや市民の文化活動を支えてきた旧福岡市民会館は、老朽化への対応と耐震性の強化、そして多様化する現代の舞台芸術需要に応えるため、大規模な拠点再整備計画へと舵を切りました。福岡市が推進した公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、隣接する須崎公園の再整備と一体的に進められたプロジェクトによって誕生したのが現在の福岡市民ホールです。
報道発表および福岡市の整備計画資料によると、旧会館の閉館から新ホールのグランドオープンに至る開館スケジュールは、周辺の景観整備と連動しながら段階的に進行しました。従来の「閉じたハコモノ建築」から脱却し、須崎公園の芝生広場や那の津通りの街路樹とガラスカーテンウォール越しに調和する「開かれた劇場」へと生まれ変わっています。
現地を取材した建築関係者は「劇場のホワイエに足を踏み入れた瞬間、公園の緑が視界いっぱいに広がる開放感は圧巻。劇場と都市公園が境界線なく溶け合うデザインは、全国の公共劇場再整備のベンチマークになる」と評しており、かつてのノスタルジックな佇まいから劇的な都市型ランドマークへと進化を遂げました。