遺伝子と睡眠のメカニズム解明において世界をリードするのが、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームである。彼らは、短時間睡眠家系のゲノム解析を進め、複数の遺伝子変異が脳内の神経伝達物質やアルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβの排出能力にどう影響するかを突き止めた。
一方で、日本の睡眠研究の拠点である国立精神・神経医療研究センターの調査も重要な知見を提供している。日本人の睡眠時間は先進国の中でも最短レベルであり、多くの人が「自分は短時間睡眠に適応した」と勘違いしている実態が明かされた。脳内の老廃物を洗浄する「グリンパティック系」の機能は睡眠中に最も活性化するため、無理な睡眠短縮は脳内に不要なたんぱく質を蓄積させ、将来的な認知機能低下リスクを飛躍的に高めてしまう。