消化器官への負担という観点からも、スローペースな食事は理にかなっている。
食べ物を口の中でしっかり噛み砕くことで、唾液に含まれる消化酵素アミラーゼが十分に混ざり合い、胃に届く前の段階で炭水化物の一次消化が完了する。これにより、胃や腸が消化のために分泌する胃酸の量が抑えられ、胃もたれや逆流性食道炎のリスクが大幅に低下するのだ。
厚生労働省が推進する健康づくり指針や、最新の予防医学、ヘルスケア領域においても、「一口30回以上噛むこと」や「ゆったりとした食環境の確保」が重点項目として掲げられている。胃腸を労わり、病気を未然に防ぐ観点において、食べるスピードの緩やかさは誇るべき健康習慣なのだ。