プロジェクトの挫折は、企業経営にも強烈な打撃を与えました。ZOZOSUITの赤字原因として最も直接的だったのが、天文学的な無料配布コストです。前澤氏は最終的に300万枚以上の配布を計画し、海外展開も見据えて巨額の製造・発送費用を投じました。しかし、無料配布で回収できたはずのコンバージョンが思うように上がらなかったのです。
当時の財務状況を振り返ると、同社は2019年3月期決算において、創業以来初となる営業減益(前期比21.5%減の256億円)を記録しました。ZOZOスーツ関連の製造費用や減損処理、さらには在庫評価損が重くのしかかり、企業の成長曲線に急ブレーキがかかりました。
このZOZOの業績悪化の経緯は、マーケティング先行でプロダクトの完成度と採算管理が追いつかなかった典型例として、ビジネススクールなどでもケーススタディとして扱われるほどのインパクトを残しました。