箱根駅伝のもう一つの真骨頂であり、最も胸を締め付けられるドラマが「シード権争い」と中継所での「繰り上げスタート」です。
次回大会の予選会を免除されるトップ10の座を巡り、9位から14位付近に位置する大学群が1秒を削り出す死闘を展開。とりわけ復路の8区・9区・10区では、前を走る走者の背中が視界に入る距離感の中で、精神的なプレッシャーが勝敗を大きく左右しています。
関係者の証言やレース分析によれば、シード権当落線上の選手にかかる心理的負荷は、優勝争いをするランナーのそれを遥かに凌駕すると言われます。「自分が1秒でも遅れたら母校のシードが消える」「伝統のタスキを途切れさせてしまうかもしれない」という極限の重圧。その中でペース配分を誤り、脱水症状や低血糖状態から失速する選手が見受けられるのも、この過酷なレースの現実です。
特に復路9区・戸塚中継所および10区・鶴見中継所では、トップ通過から「20分」が経過した瞬間に無情のピストルが鳴り響きます。母校のタスキを最後まで大手町へ届けられるか否か、中継所の手前数十メートルで繰り広げられる「タスキ渡しのドラマ」は、2026年大会でもSNSを中心に大きな涙と感動を呼んでいます。