桜新町の駅を降り立つと、あちこちでサザエさんファミリーの銅像が温かく出迎えてくれる。ここ世田谷区桜新町は、長谷川町子が長年暮らし、作品の創作活動を行ったゆかりの地だ。2026年を迎えた現在、デジタル疲れを感じるZ世代や海外からのトラベラーの間で、日本の「昭和レトロ」や「温かみのある日常風景」を再発見する動きが最高潮に達している。
かつて茶の間で家族が身を寄せ合ってテレビを眺めていた時代。そんなノスタルジーが凝縮されたこの街の核となっているのが、まさにこの文化拠点なのだ。単なる懐古趣味ではない。効率が最優先される現代社会において、人間同士の他愛もないやり取りやクスクスと笑える日常の一コマが、いかに尊いかを思い出させてくれる。