南丹市の取り組みが先進的とされる理由は、単に廃棄物を減らす「対症療法」にとどまらず、処理後の残渣を地域資源へ還元する「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を見据えている点にあります。
高温乾燥・炭化処理によって完全滅菌された残渣末は、良質なリン酸やカルシウムを豊富に含むため、土壌改良材や有機質肥料の原料として極めて高いポテンシャルを秘めています。市内の実証実験では、この処理副産物を地元農家へ供給し、伝統野菜や飼料作物の栽培に活用する試みが加速しています。
害獣として駆除された命を、山林の荒廃を防ぐ防除にとどめず、土に還して新たな作物を育む——。南丹市の減容化施設は、鳥獣被害に苦しむ全国の中山間地域が目指すべき「持続可能な里山管理モデル」として、各地の自治体からも熱い視線を集めています。