今季のトレンドを語る上で避けて通れないのが、無駄な説明台詞を極限まで削ぎ落とした「超テンポ型」作品の台頭だ。従来であれば2話かけて描いていた登場人物の葛藤や背景説明を、開始わずか3分で処理し、第1話のラストには早くも主役級のキャラクターが退場する。視聴者を飽きさせないための絶え間ない仕掛けが、圧倒的な離脱防止率を叩き出している。
だが単に展開が早いだけでは、視聴者の記憶には残らない。ヒット作に共通しているのは、伏線回収のスピード感と視聴者の予想を嘲笑うかのようなプロットのひねりだ。スマートフォンを握りしめながらリアクション動画を投稿するZ世代を中心に、リアルタイムでの考察合戦が加熱し、それがさらなる新規視聴者を呼び込むポジティブ・フィードバックを形成している。